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勉強の為にと知り合いがエルゴパドルを送ってくれた
ブレードの片方は折れて紛失したそうです
グリップは左の親指の先5〜6センチ先の曲がり部分に亀裂が入っている
まず復元しようと決めあちこち寸法取りなどします
長さは片側で97センチなので194センチあります
前の持ち主には長いと思うのですがグリップのところを
疲労骨折させるくらいだから相当の力持ちでしょう
重さは約1キロちょっと問題はブレードの角度
パイプの長手、エルゴの曲がりに対して10度ちょっと
ブレードを廻してあるそしてブレードそのものも角度を変えてある
それにプラスしてセンターでつなぐ時に角度を変えてトータルで
45度くらいに成っている道具で測れないのですべて目測です
パドル全体で言えば非常に硬いです
グリップは大きめで楕円形の握りです(30ミリ35ミリ)
日本人の手には大きいような気がする
最後に一言で言えばエルゴの復元は難しいです

まずベースに成る松材を貼り合わせます
こちらは表面
こちらは裏面
センターが厚さ45ミリ
サイドは30ミリ
全体は50センチ×30センチ
パドルの折れ口 ATパドルの型を写し取った
上の材料に写すときは表裏逆にすること
パドルの裏面
ジグソーで型抜きが終わったのでグラインダーで一生懸命に削りました
山の字を広げたようでちょっと削りが難しい
パドルの表面
表は割と削りは簡単
水の抜けが良いようにブレードのセンターから半円を広げた様に成っている
サンドペーパーで全体を整えた後実際の大きさにカットしました 表面
ブレードに着色しました
ついでに名前も入れました
裏面
こちらも同じように
着色しました
先にジョイントする部分を強化するためにグラステープを巻き付けその後エポキシで固めます
エポキシを塗り固めたところこの後デコボコをなくすためペーパー掛けする 強度を出すため2重にクロス掛けを行います
ブレード本体のデコボコを先にゲルマジックでクロスを貼り付けてしまう 次の日にエポキシを全体に塗ります
デコボコが綺麗にくっついているのが判る エポキシが固まったら周りをおおざっぱにクロスをカットかる
反対側(表面)のデコボコも同じようにゲルマジックで 次の日に同じ様に全体的にエポキシで固める
次の日同じように周りをカットする
時間は掛かるが単調な作業が続く
左のパドルの周りを綺麗にカットした後ペーパー掛けてもう一度エポキシで整えます
ブレードを差し込む前にグリップのひび割れを補修します
真ん中の白い部分
インナーパイプを作ります
厚めのグラスを内径の1.5倍
長さ20センチに切り、エポキシをたっぷりしみこませ丸めて差し込みます
この部分まで丁寧に入れインナーの右側の口を棒などでパイプに圧着し隙間を無くしておく 少し固まってからエポキシをインナーの奥まで流し込みます
図@
エポキシが奧まで入ったら(写真の上の水色)
斜めにしながら外のパイプと入れたインナーの隙間に入るようにパドルを廻しながら(水色の斜線部分)流し込みます

図A






パイプの楕円形に合わせ差し込む部分を削り折れた部分にブレードを差し込みます
その前に上記(図@)と同じ要領でエポキシをカップ半分くらい作り流し込んでおきます
つなぎ部分の拡大写真
図B
図Aと同じ要領で隙間にエポキシが入るように固まるまで立てかけておく
隙間から流れ出てしまわないようテープで留めておく
固まってからテープを外すと図Bの凹んだ部分まで有る程度エポキシで埋められている 反対側も同じです
つなぎの部分がまだ凹んでいるのでゲルマジックに強度を増すためグラスの粉末を混ぜてパテを作ります 混ぜ終わったところ
普通のパテより強力です
パテ盛り パテ盛り
ペーパーを掛けてから着色し仕上げのエポキシを塗る 表面
裏面 拡大写真
裏面の全体 裏面の半分
表面の全体 表面の半分
違う角度から やじろべーをしてみた
センターが7ミリ折れなかった方にずれている
補修した方にかなりエポキシを注入したので重いと思っていたが逆に軽かった
参考までに折れていないブレードの写真 ブレードの色が若干違うので近くで見たら補修したのがバレバレですが3b離れたら前持ち主も解らないくらい綺麗に直りました
海馬のフッテングをきつめにかえてみました
ケツがまったく動かない
乗っている時は支障がないがカヤックから出るときは一苦労する
このきつめのフッテングが良いか悪いかは暫く乗って見ないと解らないです 完成したパドルを持って浜厚真に出動
総評
194センチで長いと思っていたが漕いでみたらそんなに違和感は無かったです
重さは1330グラム有りましたがまあ何とか許せる範囲でしょう
非力な人と女性には向かないかも?
エルゴ部分は角度曲がり共に素晴らしいです
手が疲れないのが特に良かった
でも翌日にはやっぱり肩が痛いです(年のせい?)
重さが関係しているのか形が良いのか水のキャッチ力がよく抜けも良いように思う前に作ったウッドパドルより1.5倍は進む気がする
複製したブレードの方は微妙に水に弾かれる気がする

ATパドルの復元と修理